風邪とインフルエンザの違い

2017.1.24  堀古民生

風邪とインフルエンザの違いは、究極的には見分けにくいものです。
どちらもウイルスが原因ですので、ただインフルエンザウイルスは突然の悪寒、関節の痛み、高熱そして何とも言えない倦怠感が出てきます。 しかし、人間は一人一人の個性があるように、症状も様々です。 インフルエンザの迅速検査の無い時代は、流行しているか、やはりかなりしんどそうか、周りの人がインフルエンザにかかっているかなどを判断材料で診断していました。

17~8年ぐらい前からは簡易迅速検査が取り入れられ、発症して6時間過ぎれば確実に診断できるようになりました。そこで解ったことは、意外なことでした。37°程度の発熱、すこし体がだるいだけ、でも、職場ではインフルエンザの検査を受けてきなさいと言われたので、ぜひ調べてくださいと希望されることが結構ありました。 初期の頃は私も調べても出るはずがないと検査をしない方が多かったですが、執拗に希望され調べたら陽性に出たことがありました。このことで、今までのインフルエンザの診断が大きくゆらぎはじめました。最近は希望があれば、検査をしています。

結構、インフルエンザとは考えにくい軽い症状でも陽性だったり、これは間違いないと思って検査しても陰性に出たりすることもあります。要するに、人間なんだから、一人ひとり個性の違いは歴然とあるのは事実です。 病気の症状も個体差というか、教科書通りには表れない事に気づかされました。 生きている個体を診察するということは、本当に其の方の個性まで深く切り込んで診察することがいかに大切なことかが解りました。だから却って医療の奥深さが診察して、楽しいというかまじめに取り組むことで本当の医療にたどり着けるものだと思いますし、これからも日々研鑽する必要を肝に銘じて勉強します。

最後になりましたが、風邪とインフルエンザは簡単に見分けられません。 まだ私には勉強不足で偉そうに、これは風邪、これはインフルエンザと簡単に言えない状態です。
 じっくり診察し、よく観察し、最後には検査もきっちりとし診断を下すまでは簡単に結論を出せません。

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