出し素材の栄養価

2017.1.31 土居成吉

出しは古来より、煮干しやかつお節、昆布などの天然素材でとってきました。最近は天然素材が少ししか入っていない「顆粒風味調味料」や「固形ブイヨン」が出回り、普通に使われています。このような便利なものが、天然素材でとった出しと同じくらいの栄養価があれば結構なことですが、実態はそうではありません。
出しはミネラルの大切な供給源です。天然の出しと顆粒風味調味料の栄養価を調べてみましょう。顆粒風味調味料などについては、パッケージの原材料名と栄養成分表示の食塩相当量を見れば大まかに推測できます。また『日本食品標準栄養成分表』などの本で調べれば詳しく出ています。
成分表から無機質(ミネラル)の数値を一食分に換算して算出したのが次の表です。あわせてミネラルを1日にどれくらい摂ればよいのかも記しました。こちらは厚生労働省がインターネットで公開している「日本人の食事摂取基準」の数値で、各ミネラルの推奨量や目標量などがわかります。
化学調味料無添加をうたっている酵母エキス入りの「だしの素」の栄養価は今のところはわかりませんが、伝統的な天然素材100%のものに比べてミネラルの量、バランスともに劣ることは間違いないと思います。

<出し素材の栄養成分表>
『日本食品標準成分表2010』より抜粋換算 単位はヨウ素のみμg 他は㎎ ―は分析無

※150ccの出しを取る場合、風味調味料・固形コンソメは各1g(商品の説明書どおり)、その他は2.5gを使用量とし、出し殻も食べた場合。かつおと昆布の合わせ出しは別々にとった出しを混ぜるのでなく、先に昆布で出しをとり、それに鰹節を入れて取る伝統的な方法での使用量。(少数3位以下四捨五入)
※推奨量は、厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)より、30~49才男性1日当たりの数値。
※注1は推定平均必要量。注2は目安量。
◎カルシウム:マグネシウムの割合は 1:0.5位が望ましいと一般的に言われている。
◎ミネラルやビタミン、アミノ酸、脂肪酸などはバランス良く摂取することが望ましいと言われている。
また、それらがお互いに働きを助け合うという側面もある。

<その他の栄養成分表>
参考(各100g当たり)『日本食品標準成分表2010』より抜粋  単位はヨウ素のみμg 他は㎎ ―は分析無

◎牛乳はカルシウムが多いが、マグネシウムが少なすぎる。カルシウムだけが多くても体にプラスにならず弊害もあると言われている。
◎あさりはマグネシウムが多いのでカルシウムの多い食品と一緒に摂りたい。
◎油揚げはカルシウムとマグネシウムが多く、バランスもよいがヨウ素はない。カリウムも少ない。昆布などの出しで煮物にすると素晴らしい栄養価である。味噌汁の具に最適。ただ揚げ油には注意を払いたい。
(参考)天ぷら油のシリコーンについて、こちらをご覧ください
食用植物油の問題点はこちらをご覧ください。
◎米飯はカルシウムが少ない。やはり一汁一菜に気を配りたい。

☆出し素材・その他の成分表をまとめた表は(PDF版)は下記をご覧ください。
PDFdashi_eiyouka_201704

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